分析方法
WriterMate はトレンドをどう分析するか
どこまでが各プラットフォームの一次データで、どこからが WriterMate の計算・読み解きかを区別できるよう、収集範囲と計算式をすべて公開します。
1. データ収集
各国で公開されているWeb連載ランキングのページを直接収集します。ログインが必要なデータや有料データは使いません。
収集した一次データはそのまま保管します。画面上の順位・作品名・書影は各プラットフォームの一次情報であり、比率と変化幅はそこから WriterMate が計算した値です。
| 市場 | プラットフォーム | ランキング | 特性 |
|---|---|---|---|
| 韓国 | Munpia | 週間ベスト | 国内の男性向けファンタジー・武侠の比重が高いランキングです。 |
| 日本 | 小説家になろう | 総合評価ランキング | Web連載原作市場の先行指標としてよく引用されるランキングです。 |
| 中国 | 起点中文網 | 月票ランキング | 有料読者の投票に基づくため、課金読者の好みが強く反映されます。 |
| 北米 | Royal Road | Active Popular | 英語圏Web連載コミュニティの連載中人気作ランキングです。 |
2. 収集の周期
週に一度、韓国時間(KST)の月曜を基準に週を区切ります。画面の「集計週」はその週の月曜から日曜までを指します。
同じ週に同じプラットフォームを二度以上収集した場合は、その週の最後の収集分だけを使います。
週の区切り = KST 月曜 00:00 ~ 翌週月曜 00:00(含まない)
3. 分析の対象
各スナップショットの順位上位 20 作品を集計対象とします。週ごとの収集量が違っても比率が揺れないよう上限を固定しています。
長期の推移は直近 12 週まで累積して計算します。
- 作品タイトル(原文・韓国語)
- 作者名
- プラットフォームが付けたジャンル
- あらすじ
- タグ・キーワード
- 順位と前週比の順位変動
4. ジャンル分類の基準
プラットフォームごとにジャンル名が違います。そのまま集計すると市場間の比較が成立しないため、収集後に WriterMate の分類基準で一度そろえます。中国の「仙侠」と韓国の「武侠」は同じ系統にまとめ、表記だけ違う「現代ファンタジー / 現代ファンタジー」は一つに統合します。
正規化の規則に当てはまらないジャンルは原文の名称をそのまま残します。勝手に別のジャンルへ押し込むことはしません。
一作品に複数のジャンルが付く場合はそれぞれ1回として数えます。したがって全ジャンルの比率合計は100%を超えることがあります。
ジャンル比率(%) =(そのジャンルが付いた作品数 ÷ その週の集計対象作品数)× 100
5. 題材の抽出基準
題材・テーマ・舞台は、タイトル・あらすじ・タグに直接現れている表現からのみ抽出します。本文は読まず、現れていない設定を推測して補うことはしません。
翻訳の段階で、同じ概念が週によって違う名前になることがあります(ある週は「転生」、次の週は「転生者」)。そのまま集計すると、名前が変わっただけのものが「新規登場」や「急落」として誤って拾われるため、集計前に一度そろえます。
20文字を超える文章型の表現は、題材ではなく説明とみなして除外します。一作品の中に同じ題材が何度出ても1回だけ数えます。登場作品が 2 作品未満の題材はノイズとみなし、集計から外します。
- テーマ:復讐、成長、生存、政治、経営といった物語の軸
- 題材:転生、憑依、システム、ハンター、覚醒といった装置
- 舞台:武林、現代韓国、アポカリプス、異世界、ダンジョンといった場
- 空白や記号だけが違う表記は同じものとして扱います
- 意味が同じ別の語は、あらかじめ定めた表にあるものだけを統合します
- 画面に使う代表名は、実データで最も多く現れた表記を選びます
6. 上昇・下降の判定
すべての判定は以下の計算式からのみ導かれます。同じデータなら必ず同じ結果になります。
判定の単位はパーセントではなく作品数です。 標本が週あたり10〜20作品のため、作品1作品がそのまま5〜10%pに相当します。パーセントの閾値だけを置くと、作品が1作品入れ替わっただけでも「意味のある変化」として拾われ、実質的なノイズの下限がなくなります。
比率(%) =(その項目が付いた作品数 ÷ その週の集計対象作品数)× 100
変化幅(%p) = 今週の比率 − 直近の観測週の比率
- 上昇・下降:直近の観測週より該当項目の作品が 2 作品以上増減したときだけ上昇・下降とみなします。1作品差は「横ばい」と表示し、方向を主張しません。
- 連続上昇週数:1作品ずつの増加も数えます。一週だけならノイズですが、同じ方向が続くこと自体が signal だからです。その週の収集量の違いによる錯覚を避けるため、比率と作品数が同じ方向のときだけ数えます。
- 新規登場:直近 4 週に一度も観測されず、今週初めて現れ、作品 2 作品以上が該当する場合です。
- 共起題材:対象の題材が付いた作品のうち 40% 以上で一緒に現れた別の題材です。
7. 市場の比較方法
同じ週を基準に四つの市場の変化幅を並べ、方向が同じか違うかだけを見ます。
基準となる市場は読んでいる言語で決まります。日本語の画面では日本が最初の列になります。集計そのものは基準市場と無関係で、どの市場を先に置くかだけが変わります。
プラットフォームごとに順位の算定基準が違うため、比較できるのは方向だけです。絶対値を並べて「どの市場が大きい」とは読みません。
- 同時上昇:2 以上の市場で同じ週に揃って上がった場合(各市場で作品 2 作品以上増加)
- 乖離:一方で上がり、もう一方で下がっている場合
- 基準市場に無い:基準市場のランキングでは0作品なのに、他の市場でだけ上がっている場合
8. AI を使う範囲と使わない範囲
AI がやることとやらないことを明確に分けています。
比率や変化幅といった数値を AI は作りません。 数値は6章の計算式だけで求め、AI には計算済みの値を「変えられない入力」として渡します。
「あらすじから読み取った物語構造」と表示されたブロックは、AI があらすじを読んで整理した内容です。ここには三つの機械的な検証をかけます。
そのため画面には根拠作品名と根拠の作品数を必ず併記します。その文が何を読んで書かれたのかを、読む人が自分で確かめられるようにするためです。
- 入力になかった作品を根拠として引用した場合、その引用を取り除きます。根拠が残らなければ項目全体を掲載しません。
- 文の中に新しい数値(パーセント・パーセントポイント・倍数など)を作って書いた場合、その文を取り除きます。許容する数量表現は「8作品中5作品」のように、入力として渡した作品を数えることだけです。
- 検証を通過した記述が一つも残らなければ、その項目は画面に出ません。
| 段階 | 担当 | 内容 |
|---|---|---|
| 翻訳・項目整理 | AI | 日本語・中国語・英語のタイトルとあらすじを韓国語に移し、あらすじに現れたジャンル・題材の表現を抜き出します。 |
| 数値の計算 | ルール(計算式) | 比率・変化幅・連続上昇週数・新規登場・共起題材・市場間の比較。AI を通しません。 |
| WriterMate の読み解き | ルール(文生成) | 計算した数値を定められた規則で文にします。同じデータなら必ず同じ文になります。 |
| 物語構造の判読 | AI + 検証 | 上がった題材を実際に付けている作品のあらすじを読み、繰り返される物語の構造を探します。 |
| 題材名の翻訳 | AI + 検証 | 表示言語に合う題材名を作ります。検証を通らなければ韓国語の原文をそのまま使います。 |
| 根拠作品の一行要約 | AI + 検証 | プラットフォームのあらすじを読み、私たちの言葉で書き直した一文です。原文を18文字以上そのまま写したり数値を書いたりした文は捨てます。 |
| 題材辞典の項目 | AI + 検証(自動掲載) | 定義・市場別の使われ方・同伴題材・12週の流れ・示唆の5節を、私たちが計算した材料だけで書きます。材料にない数値・題名、一般論、期間の誤り、文体違反が一つでもあれば掲載しません。項目を人が逐一読むことはありません。 |
9. この分析の限界
以下はこのデータでは言えないことです。読む方が誤読しないよう併せて公開します。
- プラットフォームごとに順位の算定基準(閲覧数・評価点・有料投票など)が違います。そのため国家間の絶対的な市場規模や売上の比較には使えません。比較できるのは「同じ週にどちらの方向へ動いたか」だけです。
- 各ランキングの上位だけを観測します。順位圏外で起きている変化は捉えられません。
- 題材・ジャンルはタイトル・あらすじ・タグに現れた表現からのみ抽出します。本文は読まないため、あらすじに現れない設定は集計されません。あらすじを提供しないプラットフォームでは、物語構造の判読は出ません。
- 週に一度のスナップショットのため、同じ週の中で起きた順位の上下は反映されません。
- 標本は週あたり10〜20作品規模です(ランキングの公開範囲が国ごとに異なります)。作品1作品が5〜10%pに当たるため、パーセントの小さな差に意味を置いてはいけません。
- 収集の失敗やプラットフォームの構造変更で、ある週が空くことがあります。その場合は空いた週を飛ばして「直近の観測週」と比較し、比較基準の週を画面に併記します。
実際の分析を見る
上記の基準で計算した今週の結果は週間トレンドで確認できます。サービス全体についてはサービス案内をご覧ください。